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小見川千明さんのシングル楽曲「いつかの約束」制作四方山話

相変わらず腰が重いままなんですが、この1年分今頃エゴサして絡んでみたりしています。「あの曲が好き!」とか仰って頂けるのは制作者として本当に本望です。後、毎年恒例になった桜の撮影にも行きました。

ということでですね、先月発売された小見川千明さんのシングル楽曲「いつかの約束」の制作四方山話をそろそろやろうかと。音楽制作系なのでちょいとお話は専門的になる・・・かも。いや、なるな。

ということで、楽曲の出自ですが、小見川さんファンの方はご存じの通り、彼女の自主イベント「小見川千明のお遊戯会」で行う朗読のエンディングというか、テーマ曲ですかね。そういう感じで1曲リクエストが小見川さん本人から来ました。イベントはピアノとアコースティックギターなので、まずその2つの楽器で成立して、朗読のストーリーに合うもの、その曲を使う部分の雰囲気に合うもの、ということで書いてます。該当箇所を読んだところ、割と「希望」や「明るさ」「ポジティブさ」を感じる部分だったので、メジャー(長調)コードで、バラードかなと。後、ライブで歌う前提なので、あまりトリッキーなメロディやハイトーンは使わず、小見川さんが楽に歌えるキーとメロディにしました。自分も歌うのでわかるんですが、ライブであんまりトリッキーな曲だと結構きついんですね。だから何度歌っても安定するあたりに持ってきています。

で、それをシングルリリースしよう、というお話を頂いたのが去年の第二回目のお遊戯会くらいですかね。そのままピアノとアコースティックギターだけだと、ライブの場ではなく、他の曲と共に聴かれることを考えると寂しいので、大幅に楽器を足しました。前述の2つの楽器に加え、フレットレスベースも演奏しています。その他後半でストリングスセクションやらハープやらオーケストラパーカッションやらを加えて盛り上げていき、朗読で感じる「希望への夜明けの船出」の空気感を演出します。ただ、小見川さんのボーカルを邪魔しないようなバランスにしているので、オケのおこだわりはあまり聞こえないかも知れません。

  • 使用楽器
  • ピアノ
  • ギター
  • ベース
  • E-Bow+ギター

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Synthogy Ivory II Italian Grand

原綾佳さんがライブで使用したのはこのSynthogy社Ivoryのドイツ・ベーゼンドルファー・サンプルだが、録音ではオケと馴染みのよいイタリアのファツィオリ・サンプルを使用。

'74 Martin D-12-20L

1974年製のMartin D-12-20L。12弦ギターで、二本一組に扱って演奏するので、通常のギターより厚みのある音になる。ライブではプレイヤビリティを考慮して、同じMartinのD-35を使用しているが、録音なのでより音色が適しているこちらを使用している。

Shecter Guitar Research Fretless Jazz Bass

製造年代不明のSchecter社製フレットレスベース。写真の後ろにある'66年 Ampeg B-15Nで鳴らして録音。らしい音が欲しいので、FulltoneのChoral/Flangerでコーラス効果をかけている。

'93 Gibson Les Paul Standard

「ヒョー」という高い音が後半聞こえる人には聞こえるのだが、これはエレクトリックギターを少し歪ませて、E-bowというバイオリン奏法を可能にするエフェクタというかコントローラを用いて演奏している。ギターは'93 Les Paul Standard。アンプは写真後ろの'61-'62 Fender White Tolex Twin Amp。Maxon OD808を通している。

E-Bow

これがE-Bow。手に持って、ギターの弦の上に置くとフィードバック効果が得られ、音が無限サスティーンする非常にユニークな楽器。実は'70年代くらいから存在する。完全な飛び道具なので、あまり活用する機会はないが、テイルズオブイノセンスRの数曲でも使用している。

Maxon OD-808

Maxon OD-808は求める軽いクランチサウンドが簡単に得られるので、大抵のアンプで使用している。

肝心の小見川さんのお歌で今回使用した機材ですが、こちらはaudioworkshop女性ボーカルの定番コンビネーションの一つ、マイクはBlue MicrophoneのBlueberry、マイクアンプはFocusrite ISA Oneの組み合わせです。平たく言うと「解像度が高くて輪郭がはっきりした音」になります。

録音後のボーカルの音響調整は、今回Sonnox Oxford EQとOxford Dynamicsを使いましたが、EQもほんと軽〜くかけた程度です。小見川さんの声のダイナミックレンジが広いので、コンプレッサーはある程度しっかり。で、最後にWaves AbbeyRoad Reverb Platesでガッツリ、プレートリバーブをかけていますね。最近はボーカルまでビンテージプロセッサーのモデリング版を利用することが多いのですが、今回はノイズレスで鈍らず、クリーンな音色で仕上げたいので、EQ/CompはSonnoxを使用しています。

ボーカルトラックはベストテイク1テイク!実は今時の定番であるピッチ補正もかけていません。小見川さん凄いですね。タイミング調整も無しです。ただ、最初中村がウィンドスクリーン付け忘れているのに、小見川さん「あれ?」て思いながら何も言わずにそのままやってらしたという。・・・言いましょうよ、小見川さん、そこは。すごいプロなのに時々不思議な方です。

ということで、皆様お待ちかね、レコーディングの時のお写真です。写真の腕がもうひとつなのですが、お楽しみください。

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